
死が悲しいものであるなら、悲しい。拾われた猫は二度捨てられる。流産した我が子とイメージがクロスする。不思議な女の子が登場する。二部は成猫期である。あんなに小さかった猫はボスになっている。作者が書きたかったのは、三部であろう。老いた飼い主は妻を失っている。20歳を過ぎた猫は人間でいえば、100歳に近い。医者の手当を受けながら、水だけで一ヶ月も生き続ける。あたかも、老いた飼い主に死に方を見せつけるように。ベッドの下に隠れる末期の猫。光を嫌がるのだろうか?死は暗闇なのか?堂々と目を開けたまま、死んでいた朝。生きることとは何か、死とは何か、その意味をまざまざと見せつけたのではあるまいか?